青森県青森市にある浅虫温泉(あさむしおんせん)の温泉旅館『辰巳館』(たつみかん)を日帰り入浴した。
辰巳館は、500円という安さで100%源泉掛け流しの温泉を日帰り入浴できる老舗温泉旅館である。重厚な木造建築が醸し出す歴史的な情緒に加え、岩風呂の内湯や露天風呂といった浴場備えている。本稿では、入浴環境や館内の設備構造について詳述する。
浅虫温泉全体の散策記事については、以下を参照のこと。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 辰巳館 |
| 所在地 | 青森県青森市浅虫山下281 |
| 料金(日帰り入浴) | 500円 |
| 泉質 | ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 |
| 浴槽 | 内湯1つ、露天風呂1つ |
| 営業時間(日帰り入浴) | 12:00~16:00 |
| 公式サイト | https://hpdsp.jp/tatumikan/ |
浴場と温泉の特徴 #
浴槽の構成は内湯1つに、露天風呂1つである。内湯も岩風呂になっているのが珍しい。なお、サウナや水風呂は無い。露天風呂は、壁一枚で道路に面しており、かつ露天風呂の浴槽からさほど離れていないため、外の喧騒や車が走る騒音が聞こえるのが残念なところである。内湯は広々とした造りであるが、露天風呂は大分手狭に感じた。公式サイト等の写真では、露天風呂は結構広めに見えるが、かなり広角なレンズで、かつ、広く見える角度で工夫して撮影しているなと感じた。

辰巳館の泉質は、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉であり、色は無色透明である。源泉温度は56.5℃と高い。温泉は100%源泉掛け流しである。なお、浅虫温泉は地域一帯で源泉の集中管理方式を取っている。このため、辰巳館の温泉分析表を見ても源泉名は「混合温泉」となっている。温泉施設ごとの特徴差が無いのは、温泉好きにとっては残念であるが、これは辰巳館に限った話では無いので仕方が無いところである。
訪問したのは祝日の12時頃だった。入浴した際は他の客が1人いたが、運良くほぼ入れ替わりで出ていったため、源泉掛け流しの温泉をほぼ独占状態で楽しむことができた。
料金は日帰り入浴が500円と、破格の安さである。温泉旅館の日帰り入浴は1,000円近く取るところが多い。温泉旅館は当然、単価の高い宿泊客で成り立っているため、日帰り入浴はさほど力を入れていないところが殆どだろう。このため、単価が低くても応対に手間を取られる日帰り入浴は、日帰り温泉施設よりも値段が高めの温泉地が多い。そんな中、辰巳館は500円で入浴でき、正直ボランティアのような価格だと感じた。
館内施設 #

辰巳館で印象的だったのは、老舗旅館の風情を醸し出す建築様式である。道路を挟んだ反対側から見ても、木造の重厚感が漂い、この旅館が積み重ねてきた歴史を感じさせてくれる。

館内には売店があり、お土産や工芸品が売られていた。訪問したのが12時頃で宿泊客がいない時間帯だったため、照明は暗く旅館の人員はあまり見掛けなかった。しかし、ちょっとした売店のスペースと、隣接したダイニングテーブルと観葉植物の並びには、親しみやすさと居心地の良さを覚えた。
まとめ #
辰巳館は、500円という格安料金で老舗旅館の風情と100%源泉掛け流しの湯を楽しめる貴重な宿である。内湯の岩風呂ではゆったりとくつろげる一方、露天風呂は環境や広さに好みが分かれる面もあるが、全体として旅の情緒を存分に味わうことができる。
コストパフォーマンスを重視して手軽に旅館の温泉を満喫したい人や、歴史を感じる木造建築に浸りたい人にお勧めである。タイミングが合えば静かな貸切状態の湯浴みも期待できる、非常に満足度の高い温泉旅館である。