山梨県甲州市にある塩山温泉(えんざんおんせん)。私は宏池荘(こうちそう)という施設で日帰り入浴を体験した。印象に残っているのは、つるつるとした肌触りの良い湯と、ひっそりとした街並みだった。
アルカリ性単純温泉、つるすべの湯 #
塩山温泉の湯は、アルカリ性単純温泉。pHの高い泉質によくあるように、湯に浸かると肌がつるつると滑らかになる感触がある。いわゆる"美肌の湯"として知られており、湯あたりもなく、ゆっくりと身体を温められる。
宏池荘は、個人経営のようなこぢんまりとした施設で、豪華さや観光地としての華やかさはないが、地元に根差した雰囲気があり、静かに湯を楽しめる環境だった。温泉に入った後は、バナナ牛乳を頂いた。湯上りに紙パックの乳飲料を飲むのは、風情がある。

街並みは、住宅地と一体化 #
塩山温泉全体の雰囲気としては、温泉街というよりも、住宅地の中にぽつぽつと温泉宿が存在している印象である。旅館の数も多くはなく、観光色は薄い。温泉街を歩いて楽しむというよりも、“目的の湯に浸かりに行く"というタイプの温泉地だろう。
塩山駅から徒歩圏、アクセスは悪くない #
JR中央本線の塩山駅から、徒歩でおおよそ15分。決して駅前ではないが、徒歩でも訪問できる距離であり、アクセスは比較的良好だ。車が無くても気軽に立ち寄れるのは、公共交通派の旅行者にはありがたいポイントである。
温泉マニア向け、観光目当てには不向き #
全体的な印象として、塩山温泉は、観光地というよりも、昔ながらの湯治場的な空気が残っている温泉地だ。鄙びた雰囲気が好きな人、共同浴場的な空気感が好きな人には非常に相性が良い。逆に、温泉と観光をセットで楽しみたいという人には、やや物足りないかもしれない。
私は石和温泉を訪れた際に、列車移動のついでに寄ってみた。そういった“ついで”の立ち寄りとしては非常に良い選択肢だと思う。近隣には観光資源豊富な石和温泉もあり、がっつりとした旅行にはそちらの方が向いているだろう。
静かな環境で、良質な湯に身を沈める。そんなシンプルで贅沢な時間を求める人には、塩山温泉はぴったりの場所である。
2026年1月追記 #
私が訪問した、塩山温泉の宏池荘だが、なんと2026年1月31日で閉館することになってしまった。思い出深い温泉施設が閉館となり、残念である。
