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花山温泉は汚いのか?

花山温泉は汚いのか?

·1348 文字·3 分

私が気に入っている温泉の1つに、和歌山県和歌山市にある花山温泉(はなやまおんせん)という温泉施設がある。ここは温泉ファンにとっては、知る人ぞ知る名湯で、「関西最強の炭酸泉」とも称されている。とはいえあまりレビューしている人が少ないせいか、ありがたいことに、私のブログの以下記事にGoogle検索で訪れる人がそこそこいる。

そこで私も「花山温泉」でGoogle検索したところ、予測候補に「汚い」という不名誉なキーワードが出ていることに気が付いた。これを目にし、温泉ファンとして深い溜息と残念な気持ちを禁じ得ない。この温泉は本当に汚いと言われるべき所なのか?

Google検索結果

結論から言おう。あなたが目にしたあの茶褐色の光景やゴツゴツとした床は、清掃不足による汚れなどではない。全国屈指の成分濃度が作り上げた析出物(せきしゅつぶつ)という名の勲章である。

毎晩の清掃と、週一回の「削り」作業
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「汚い」と断じる人々は、この施設がどれほど過酷なメンテナンスを維持しているか想像したことがあるだろうか。

メンテナンス

館内に掲示されたポスターを見れば、その実態は一目瞭然だ。花山温泉では毎晩お湯を抜き、太いホースで何度も水を流して洗浄を行っている。それだけではない。毎週木曜日の定休日には、まるで道路工事のような光景が広がる。

  • 析出物の削り取り: 炭酸カルシウムが酸化し、岩のように固まった成分を削岩機のような道具で削り落とす。
  • 配管と栓の調整: 詰まらないよう、お湯の栓までも削って調節する徹底ぶりだ。
  • 高圧洗浄: 削った後は高圧洗浄機で細かい破片まで丁寧に洗い流される。

これほどまでに手をかけなければ、この「関西最強」と称される濃厚な源泉を維持することはできないのだ。

露天風呂の「虫」に文句を言う大人げなさ
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また、昨今は花山温泉に限らず、全国の露天風呂で「虫に関する注意書き」を頻繁に見かけるようになった。これについても、筆者は言いようのない違和感を覚える。

露天風呂は文字通り、屋外にあるものだ。自然の中に身を置いている以上、お湯に虫が浮いていたり、近くに寄ってきたりするのは至極当然のことである。食事に混入しているならまだしも、野外の風呂に対して「虫がいる」とクレームをつける客がいることに驚かされる。

「室内ではないのだから、いて当たり前」と思えないのは、あまりに大人げないのではないか。本物の自然や、生きた温泉を享受する側の「作法」が問われている気がしてならない。

見た目の「綺麗」より、温泉の「純度」を
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花山温泉の湯は、湧出時は無色透明だが、豊富な鉄分が空気に触れることで鮮やかな茶褐色へと変化する。床に積み重なった重厚な析出物は、その成分が「生きている」証拠そのものだ。

確かに、昨今のスーパー銭湯のような、タイルがピカピカで無菌状態のような「清潔感」を求める人には向かないかもしれない。しかし、そんな表面上の綺麗さと引き換えに、加水・加温・循環濾過された個性のないお湯を浴びることに、どれほどの価値があるだろうか。

「汚い」という誤解で、この唯一無二の名湯を敬遠するのはあまりにもったいない。花山温泉が守り続けているのは、決して「古さ」ではなく、自然の力が結晶化した「本物の価値」なのだ。

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