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飯坂温泉 ほりえや旅館 レビュー|家族経営の温もりに癒やされる老舗旅館

飯坂温泉 ほりえや旅館 レビュー|家族経営の温もりに癒やされる老舗旅館

·3382 文字·7 分

福島県福島市にある飯坂温泉(いいざかおんせん)の『ほりえや旅館』に宿泊した。

飯坂温泉には共同浴場や大型旅館も多いが、ほりえや旅館は家族経営ならではの温かさが印象に残る宿である。源泉掛け流しの温泉や部屋食はもちろん魅力だが、それ以上に、宿の主人との何気ない会話や館内に流れる穏やかな空気が、今でも記憶に残っている。

飯坂温泉全体の散策記事については、以下を参照のこと。

施設情報
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項目 内容
施設名 飯坂温泉 ほりえや旅館
所在地 福島県福島市飯坂町字湯沢21
料金(日帰り入浴) 日帰り入浴500円
泉質 アルカリ性単純温泉
浴槽 内湯
営業時間(日帰り入浴) 10:00~15:30、18:30~20:00
福島市観光サイト https://www.f-kankou.jp/onsen-stay/34190

浴場と温泉の特徴
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ほりえや旅館

泉質はアルカリ性単純温泉で、色は無色透明である。浴槽は内湯のみというシンプルな造りである。

家族風呂形式で、独占して入浴することができる。温泉の利用形態としては、源泉掛け流しで、加水無し・加温無し・循環無し・消毒無しという、一切手を加えていない自然な温泉である。ここまで手を加えていない温泉は全国的にも珍しく、自然に近い状態の湯を味わえる。

貸し切りであるため、ゆっくりと長時間、他人の出入りを気にせず浸かることが出来た。非日常を感じた。

内湯

浴室は昔ながらのタイル張りで、昭和の温泉旅館らしい素朴な雰囲気が漂う。派手さや豪華さはないが、それがかえって落ち着きを感じさせる空間だった。入浴してみると、肌がヌルヌルと滑りを感じた。熱い湯で有名な飯坂温泉であるため、熱過ぎて足湯しながら湯気だけ浴びているだけで充分な思いもした。

宿泊中は夜も朝も何度も温泉へ浸かった。さらに宿を出て共同浴場へも入りに行ったが、今振り返っても、このくらいの規模の旅館だからこそ味わえる貸切の内湯は非常に魅力的だったと思う。

それまではスーパー銭湯や大型旅館を利用することが多かった。しかし、小規模旅館では浴場がコンパクトな分、一人でゆっくりと湯を独占できる時間が長い。リフレッシュという意味では、むしろこちらの方が贅沢な時間なのではないかと感じた。

館内・周辺施設
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老舗旅館らしく、建物は昔ながらの木造建築である。

初めて訪れた時の印象は、まさに日本の温泉旅館であった。温泉街の景観に自然と溶け込み、木造建築ならではの温もりが感じられる。近代的なホテルでは味わえない雰囲気が、この宿には残されていた。

客室は3階建ての建物の2階で、窓からは温泉街の通りを眺めることができた。

鍵

一方で、建物が昔ながらであるがゆえに、現代のホテルとは異なる点もある。

訪問当時、部屋の鍵は外へ持ち歩くタイプではなく、室内側から施錠する昔ながらの方式だった。そのため外出時は部屋に鍵を掛けられず、当時は金庫も設置されていなかった。現在の設備は不明だが、貴重品の管理には注意したい。

また温泉地としての立地も良く、ほりえや旅館を一歩外に出れば、すぐ隣に『鯖湖湯』という共同浴場がある。浴衣姿のまま、共同浴場へ向かうのも苦にならない。

また、温泉街ということで、公衆浴場が22字まで開いており(当時)、喫茶店も24時まで開いていた。

食事
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夕食
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夕食 おかず

夕食は部屋食で提供された。

刺身の盛り合わせをはじめ、ホイル焼き、鍋料理など品数も多く、どの料理も丁寧に作られていた。

夕食 ホイル焼き

ホイル焼きも非常に美味しく、熱々の状態でいただけた。

夕食 鍋

鍋料理も付いており、旅館らしい夕食として十分満足できる内容だった。

しかし、この宿で最も印象に残っているのは料理そのものだけではない。

日本酒 摺上川

料理とともにいただいた福島市産の日本酒『摺上川』(すりかみがわ)である。

これまで全国各地で数多くの日本酒を飲んできたが、この酒と料理との組み合わせは、今でも忘れられない。

料理をより美味しく引き立て、日本酒もまた料理によってさらに美味しく感じられる。酒と料理が互いを高め合うような組み合わせで、「地酒とは、その土地の料理と一緒に飲んでこそ完成するものなのだ」と初めて強く実感した。

あまりの美味しさに、帰宅前には自分用のお土産として一本購入したほどである。帰路に近くの地元酒屋である『舛七酒店』で摺上川を購入した覚えがある。

フルーツ

食後には福島県産の桃「あかつき」と梨が提供された。福島県は果物王国としても知られるが、その名に違わぬ甘さで、夕食の締めくくりにふさわしい一皿だった。あいにくと梨の銘柄は覚えていないが、こんな美味しい梨は食べたことが無いなと感じた覚えがある。

食事については非常に満足を覚え、当時のメモを遡ると、「水が美味いからか、酒が美味い。ご飯も美味い。何もかも上手い」「刺身も美味い。山なのに」というメモを残していた。なお、部屋食ということで宿の主人が献立を順に持って来てくれ、その度に献立の説明をしてくれた。

朝食
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朝食 おかず

朝食も部屋食でいただいた。焼き魚、きんぴら、温泉たまご、煮物、海苔、白米、味噌汁といった、旅館らしい和朝食である。

朝食 白米

豪華な献立ではないが、一品一品が朝にちょうどよく、温泉宿の朝らしい落ち着いた時間を過ごすことができた。

アットホームな雰囲気
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ほりえや旅館で最も印象に残ったのは、建物以上に家族経営ならではの温かい雰囲気だった。

館内では宿の子どもたちが遊んでいる姿を見かけることがあり、玄関先や館内には子どものおもちゃも置かれていた。浴場にも黄色いアヒルをはじめとした子ども向けのお風呂のおもちゃがあり、宿泊客の子ども向けなのか、宿の子どもたちが遊ぶためなのかは分からないが、そうした生活感もどこか微笑ましい。

高級旅館のような非日常とは異なり、人が暮らしている温泉宿へ遊びに来たような安心感があった。

宿の主人も非常に気さくな方だった。

宿泊中に話をしていると、「せっかく温泉地へ来たのだから、浴衣を着て共同浴場へ行ってみてはどうですか」と勧めていただいた。

それまで何度も温泉地を訪れてきたものの、浴衣と下駄で温泉街を歩いたことはなかった。実際に浴衣姿で共同浴場へ向かってみると、温泉街の雰囲気に自然と溶け込み、これまでとは違った温泉旅行の楽しさを知ることができた。

旅館そのものだけではなく、「飯坂温泉という温泉地を楽しんでほしい」という主人の思いが伝わってくるようで、とても印象に残っている。

温泉むすめ
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ほりえや旅館は、飯坂温泉の温泉むすめ「飯坂真尋」のファンにはよく知られた宿でもある。

玄関へ入ると、まず目に飛び込んでくるのは大量の温泉むすめグッズである。ポスターやグッズが数多く飾られており、その熱量に圧倒された。

翌朝、宿の主人と温泉むすめについて話をしていると、「せっかくだから見ていきますか」と、温泉むすめ仕様の客室まで案内してくださった。

その部屋は、一部屋丸ごと温泉むすめグッズで埋め尽くされていた。

ポスター、タペストリー、ぬいぐるみなど、まさにコレクションルームそのもの。当時としては、このようなコンセプトルームを設けている宿は珍しく、飯坂温泉における先駆けだったのではないかと思う。

その充実ぶりに思わず笑ってしまい、「もうオタク部屋ですね。好きな人なら、自宅のような安心感があるんじゃないですか」と宿の主人と談笑したことも、今では良い思い出である。

こうした距離の近さも、大規模旅館ではなかなか味わえない、小さな温泉宿ならではの魅力だろう。

まとめ
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今振り返ると、ほりえや旅館で印象に残っているものは一つではない。

源泉掛け流しの温泉、貸切でゆっくり浸かれる内湯、趣ある木造建築、部屋食で味わう料理、福島市の地酒「摺上川」、そして宿の主人や館内で遊ぶ子どもたちの姿。

どれか一つが飛び抜けているというより、それらが一つの宿で自然に調和していたことが、この宿を忘れられない理由なのだと思う。

それまで私は大型旅館やスーパー銭湯を利用することが多かったが、この宿をきっかけに、小規模な家族経営の温泉宿にも大きな魅力があることを知った。

静かな貸切の湯に浸かり、部屋食で地酒を味わい、浴衣姿で共同浴場へ向かう。そして宿の主人との何気ない会話を楽しむ。

ほりえや旅館は、単に宿泊するだけではなく、「昔ながらの温泉旅館の過ごし方」を教えてくれた一軒であり、5年以上経った今でも、もう一度泊まりたいと思える宿である。

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