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炭鉱の歴史を継ぐ共同浴場――松原温泉(福岡県田川市)

·713 文字·2 分

炭鉱の歴史を背負う、地元に根ざした共同浴場
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福岡県田川市の小高い丘の上に位置する『松原温泉』を訪れた。ここはかつて炭鉱の共同浴場として長く親しまれてきた歴史を持つ日帰り温泉施設である。

建物の外観や館内は、どこか懐かしさを感じさせる「銭湯」のような佇まいだが、手入れが行き届いており非常に清潔である。訪問した際には、観光客の姿はほとんど見当たらず、その多くが自前のシャンプーやリンスを持参した地元の方々であった。この場所が今もなお地域住民にとって欠かせない生活の一部、そして社交の場であることを強く感じさせた。

驚くべき「ヌメヌメ」としたアルカリ性の泉質
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特筆すべきは、その泉質の良さである。アルカリ性単純泉であるこの湯は、肌に触れた瞬間に独特の「ヌメヌメ」とした感触があり、温泉としての質の高さをダイレクトに実感させてくれる。

夜の入浴時に訪れたため、館内はやや手狭に感じるほどそこそこの混雑を見せていたが、湯船待ちが発生するほどではない。地元の活気に包まれながら、この力強い「ヌメり」を持つ湯にじっくりと浸かる時間は、非常に贅沢なものであった。

こじんまりとした佇まいに揃う充実の設備
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施設自体は銭湯のようなこじんまりとした規模感ではあるが、設備は驚くほど充実している。内湯はもちろん、開放感のある露天風呂、さらにはサウナまで一通り揃っており、温泉好きのニーズをしっかりと満たしてくれる。

派手な観光施設ではないが、歴史ある共同浴場としての情緒を保ちつつ、清潔な環境で本格的な設備と極上の泉質を提供し続ける姿勢は非常に貴重である。丘の上という立地からくる静かな雰囲気の中、田川の炭鉱文化の余韻を感じつつ、心身を深く癒すことができた。

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