銭湯価格で味わう「東京の黒湯」への期待 #
東京の伝統的な黒湯に浸かってみたいという強い思いから、品川区にある『武蔵小山温泉 清水湯』を訪ねた。移動は電車を利用したが、駅から徒歩圏内というアクセスの良さは、温泉目当ての訪問者にとって非常に大きな魅力である。
ここは昔ながらの銭湯という形態を守りながら、本格的な天然温泉を提供している極めて貴重な施設だ。一般的な日帰り温泉施設とは異なり、都内一律の銭湯価格(550円)で二つの異なる源泉を楽しめるという点が、大きな驚きであった。
湯上り後も長く続く肌のしっとり感 #
実際に体験した温泉は、その期待を大きく上回る泉質の良さであった。特筆すべきは入浴後の肌の感覚である。温泉から上がった後も、肌がしっとりとした潤いを保っており、その保湿効果が驚くほど長く持続した。
この価格帯で二種類の源泉を堪能できるだけでなく、これほどまでに確かな美肌・保湿効果を実感できるのは、都内の温泉銭湯の中でも屈指のクオリティと言える。土地柄を反映してか、館内には近隣住民と思われる外国人の姿もそこそこ見受けられ、本格的な温泉が国籍を問わず生活に溶け込んでいる様子が印象的であった。
人気温泉銭湯ゆえの「湯船待ち」の現実 #
一方で、その泉質の良さと圧倒的なコストパフォーマンスゆえに、混雑状況はかなり過酷であった。以前訪問したことのある「温泉ではない普通の銭湯」と比較しても、この清水湯の混み具合は遥かに凌駕している。
スーパー銭湯のような広大な敷地ではなく、あくまで「昔ながらの銭湯」の規模感であるため、押し寄せる人数に対してどうしてもキャパシティが不足している印象を受けた。湯船に入るために順番を待つ「湯船待ち」が常態化しており、都心の人気温泉銭湯ならではの「待ってでも浸かりたい湯」という現実を肌で感じることとなった。