和歌山県の山深く、日本三美人の湯のひとつとして知られる龍神温泉(りゅうじんおんせん)。その中心的な存在が、日帰り入浴施設『龍神温泉元湯』である。
日高川の清流沿いに建てられたこの施設では、龍神温泉の源泉を掛け流しで楽しむことができる。実際に訪れてみると、トロトロとした肌触りの湯と、川のせせらぎを間近に感じられる露天風呂が印象的で、龍神温泉の魅力を最も気軽に体験できる場所だと感じた。
本記事では、龍神温泉元湯の浴室の様子、2つの源泉の違い、館内設備などを、実際に訪問した体験をもとに詳しく紹介する。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 龍神温泉元湯 |
| 所在地 | 和歌山県田辺市龍神村龍神37 |
| 入浴料 | 800円 |
| 泉質 | ナトリウム炭酸水素塩泉 |
| 源泉掛け流し | あり |
| 浴槽 | 内湯2、露天風呂1 |
| 営業時間 | 月~土:9:00~21:00、日:7:00〜21:00 |
| 公式サイト | https://www.motoyu-ryujin.com/ |
温泉と大浴場の特徴 #

龍神温泉元湯は、1階が受付、地下1階が男湯、2階が女湯という構成だ。入浴料800円を支払い地階に降りると、男湯ののれんが出迎えてくれる。広めの脱衣所で服を脱ぎ浴室に入ると、無色透明の湯が湛えられた浴槽が目に入る。湯に身を沈めると、ナトリウム炭酸水素塩泉特有のトロトロとした肌触りが心地よく、龍神温泉が美人の湯と呼ばれる理由をすぐに実感できた。
浴室には、内湯が2つ、露天風呂が1つある。露天風呂は岩風呂となっており、近くの日高川を眺められるロケーションとなっている。露天風呂のすぐそばには徒歩で渡る橋が架かっており、川向へ渡る外国人の姿を見掛けた。川向には龍神温泉元湯別館があるので、そちらに宿泊している観光客だろう。
龍神温泉元湯には源泉が2つあり、内湯にある浴槽2つでそれぞれの源泉を堪能することが出来る。大浴槽では自然湧出の源泉温度46度の温泉が、ヒノキ風呂ではボーリング泉の源泉温度48度の温泉が堪能できる。そしてこのヒノキ風呂には龍神村のヒノキが使われているらしい。そう聞くとありがたみが湧いてくるのが不思議である。
他の旅館に宿泊している場合でも、龍神温泉元湯にはぜひ足を運んでみてほしい。というのも、元湯は龍神温泉で唯一の源泉掛け流しの施設であり、旅館で利用されている温泉の多くは、ここから引湯されたものだからである。つまり元湯では、その源泉そのものに直接浸かることができる。
館内施設 #

龍神温泉元湯には、小さいながらも休憩所があり、湯上りに一休みすることが出来る。また、自動販売機があるのも嬉しい。温泉・銭湯に行ったらコーヒー牛乳を飲むのが慣習となっている私のような人向けに、コーヒー牛乳も置いてあった。ただし、瓶ではなく、紙パックなのが残念なところである。まぁこれは、明治が瓶入り牛乳を止め、紙パックに切り替えてしまったためなので、仕方が無い。
館内には飲料の他、アイスや土産も売っており、湯上りに休憩所でアイスを食べる人も見掛けた。私はコーヒー牛乳派だが、湯上り後のアイスも格別だろう。

また、館内には温泉むすめのキャラクターである、龍神 晴(りゅうじん せい)のパネルや、温泉むすめファンが寄贈した、全国各地の温泉むすめのグッズが飾られていた。ファンによるオリジナルのイラストなども寄贈されていた。


宿泊情報 #

龍神温泉元湯には別館があり、そちらでは素泊まりで泊まることが出来る。私はあいにくと泊まったことが無い。12月~2月の冬季期間は休業しており、ちょうど冬の時期に私は訪れるので中々タイミングが合わないためだ。冬季以外で安価に泊まるなら、選択肢の一つだろう。宿泊者の特権として、何度でも龍神温泉元湯に入れるようだ。また、値段も1名1室で5,000円と破格である。
周辺・関連情報 #

湯量が豊富な証として、龍神温泉元湯の前には、『湯汲みの場』と名付けられた、いわゆる温泉スタンドが設置されていた。ここはポリタンク等の容器を持参すれば、有料で温泉を汲むことが出来る施設である。他の温泉地だと、十津川温泉で見掛けたことがある。格安で温泉を汲めるというのは、循環式じゃないと湯量が足りないような温泉には当然不可能であり、温泉が豊富な証である。
また、龍神観光協会が運営している『龍神村の観光情報』というサイトによれば、以下の旅館は龍神温泉元湯の温泉を引湯しているようである。まさに、龍神温泉の「元湯」であると言えよう。
- 季楽里龍神
- 旅館さかい
- 旅館 上御殿
- 有軒屋旅館
- 旅館 下御殿
- 料理旅館 萬屋
まとめ #
龍神温泉元湯は、龍神温泉の中でも唯一、源泉そのものを掛け流しで楽しめる貴重な施設である。
無色透明ながら、とろみを感じさせる柔らかな湯は、肌にまとわりつくような感触があり、美人の湯として知られる龍神温泉の魅力を最も純粋な形で味わうことができる。内湯では自然湧出泉とボーリング泉という異なる2つの源泉を楽しめる点も興味深い。
露天風呂からは日高川を望むことができ、静かな山あいの温泉地らしい落ち着いた時間が流れている。
龍神温泉に宿泊する場合でも、各旅館は元湯から引湯しているため、この元湯でしか味わえない源泉そのものの鮮度を体験する価値は高い。龍神温泉を訪れたならば、ぜひ立ち寄っておきたい施設のひとつである。
なお、龍神温泉に関しては、龍神温泉全体のまとめ記事や、温泉宿・季楽里龍神の体験記、困難なアクセス方法の解説記事を作成しており、関連記事はこちらから。