メインコンテンツへスキップ
旅館 清少納言 日帰りレビュー|トロトロの湯と静けさが魅力

旅館 清少納言 日帰りレビュー|トロトロの湯と静けさが魅力

·2409 文字·5 分

三重県津市にある榊原温泉(さかきばらおんせん)にて、『旅館 清少納言』で日帰り入浴を体験した。

清少納言の湯は、榊原温泉の他の施設と同様に弱アルカリ性単純泉の特徴を持ち、実際に入ってみると、肌にまとわりつくような強いぬめりを感じるのが印象的だった。浴場は内湯のみと構成自体はシンプルだが、ぬるめの源泉風呂と水風呂を含めた温度差があり、交互浴のしやすい造りになっている。

館内には、宿名にちなんだ清少納言の歌が掲げられているほか、廊下には東海道五十三次の展示が並び、浴場へ向かうまでの動線にもささやかな趣向が感じられる。訪問時は窓越しに桜が見え、季節の景色が館内の静けさに彩りを添えていた。

こうした湯の特徴や浴場構成、館内の様子、さらに利用時に注意しておきたい点について、実際の体験をもとに整理していく。

なお、榊原温泉全体に関するレポート記事はこちらから。

施設情報
#

項目 内容
施設名 旅館 清少納言
所在地 三重県津市榊原町6010
料金 1,000円
泉質 弱アルカリ性単純泉
浴槽 内湯2
営業時間 11:00~20:00 ※早めに受付終了もあり
公式サイト https://www.seishounagon.co.jp/

浴場と温泉の特徴
#

暖簾

静けさに包まれる、大人向けの温泉
#

入浴料は1,000円とやや高めで、タオルは付属しないため持参が必要だ。

11時の日帰り温泉利用開始から間もない、11時15分に訪問したが、すでに3名の先客がいた。客層はお年寄りのみで、館内は非常に静かであった。いわゆるスーパー銭湯のようなにぎやかさはなく、落ち着いた時間が流れている。

静かな温泉にゆっくり浸かりたいという人には、かなり相性が良いだろう。

露天なしでも満足できるトロトロの湯
#

浴場はシンプルに内湯のみ。露天風呂はないが、湯船は2つ用意されている。そのうち1つはかなりぬるく、水風呂に近い温度で、おそらく源泉風呂。ここで特筆すべきは湯の質感だ。榊原温泉の特徴と降り、とにかく肌触りがトロトロななおである。

湯船だけでなく、シャワーから出るお湯に至るまで、肌にまとわりつくような感触がある。あまりの滑らかさに、シャンプーやボディソープが流せているのか一瞬迷うほどだ。

桜を眺める水風呂と、クセになる交互浴
#

水風呂は川沿いの窓際に配置されている。訪問時は3月末であり、早咲きの桜が見え、ちょっとした花見気分を味わえた。

この水風呂がなかなか良い。

しっかり冷えているが、外気とのバランスも良く、水風呂から上がると空気が暖かく感じる。交互浴を繰り返すうちに、むしろ熱い湯よりも水風呂のほうに長く入りたくなる、不思議な感覚になってくる。

大浴場の注意点
#

温泉体験としては素晴らしいが、注意点もある。

  • 大浴場は地下にあり、階段でしかアクセスできない(エレベーター不可)
  • バリアフリーではないため、足腰に不安がある人にはやや厳しい構造
  • 脱衣所はロッカーなしのカゴ式(貴重品はフロント預け)

このあたりは事前に把握しておきたい。

また、日帰り温泉利用は現地には11:00~20:00と書かれているが、実際は早く受付終了していることがあるので注意が必要である。私も何度か近隣の湯の庄を訪問しているが、15時くらいに清少納言にも入ろうと入口に向かうと、「日帰り温泉利用の受付は終了しました」という注意書きをよく見る。確実に日帰り温泉利用をしたいのならば、受付開始の11時頃に赴くか、事前に電話で確認した方が良いだろう。

館内施設
#

歴史を感じる調度品
#

壁絵

受付の左横には、大きく目を引く壁画があった。そこには百人一首にも収められた清少納言の歌が記されている。

夜をこめて
鳥のそらねは はかるとも
よに逢坂の 関はゆるさじ

― 清少納言

東海道五十三次

浴場にたどり着くまでの館内は、いかにも旅館らしい造り。廊下はやや長く、薄暗い照明も相まって静寂が際立つ。

壁面には東海道五十三次が飾られ、歩みを進めるごとに旅の情趣が重ねられていく。単なる通路でありながら、移動の時間そのものが一つの体験として設計されているのが印象的だ。

桜

その反対側、窓際には控えめに調度品が配され、視線の先には川と桜の木が見えた。訪問時は3月末であり、満開とは言えなかったが、桜の開花を見ることができ、温泉体験の印象をより深めてくれた。

休憩スペースと湯上り後の飲み物
#

休憩所

また、館内には休憩スペースが点在しており、湯上がりにゆっくり過ごせるのも嬉しい。

いちご牛乳

湯上がりの定番といえば瓶入り牛乳だが、こちらでは見当たらない。その代わり、自動販売機にはペットボトルのいちご牛乳やフルーツ牛乳が並ぶ。

昔ながらの風呂上がりの一杯とは少し違うが、これもまた一興であった。

売店:榊原温泉の化粧品・入浴剤
#

売店

受付の右横には売店が設けられている。

化粧品

美肌の湯として知られる榊原温泉らしく、並ぶ商品も温泉にちなんだものが中心だ。温泉水を用いた化粧水やミスト、フェイスマスク、石けんなどが揃い、榊原温泉での美肌体験を自宅へと持ち帰ることができる。

入浴剤

また、榊原温泉の入浴剤も売られていた。温泉宿の売店としては、これだけ温泉地にちなんだものが売られていると興味深い。

まとめ
#

『清少納言』は、内湯のみというシンプルな構成ながら、強いぬめりを感じるトロトロの湯と、ぬるめの源泉風呂・水風呂を活かした交互浴によって、じっくりと温泉そのものを味わえる一軒であった。館内も終始静かで、東海道五十三次の展示や清少納言の歌、窓越しの桜といった要素が、落ち着いた時間にささやかな彩りを添えている。

結論として、設備の充実度や娯楽性を求める施設ではないが、泉質と静けさに価値を見出す人にとっては満足度の高い温泉である。

特に、

  • にぎやかなスーパー銭湯が苦手な人
  • 交互浴をゆっくり楽しみたい人
  • 温泉の肌触りそのものを重視する人

といった層には相性が良いだろう。反対に、バリアフリーではない点や露天風呂がない点から、設備面の快適さを重視する場合はやや注意が必要である。

関連記事