北陸新幹線で訪ねた宇奈月温泉──宇奈月温泉(富山県黒部市)
目次
5年以上前、まだ富山県を訪れたことがなかった頃、北陸新幹線を使って富山を目指した。目的は宇奈月温泉。東京から乗った新幹線は快適で、長い移動時間さえ旅の高揚感を高めてくれた。
宇奈月温泉へ移動 #
列車を乗り継いで山あいにある宇奈月温泉へ向かった。電車が黒部川沿いを進むにつれて、景色はだんだんと自然豊かに変わり、窓の外を流れる山々の風景に心が癒される。アクセスは少し時間がかかるものの、この道中そのものが旅の一部になっていると感じられた。
宿泊はフィール宇奈月 #
宿泊先に選んだのは「フィール宇奈月」。内装は完全にホテルスタイルで、素泊まりでの利用だったが、温泉にはしっかり浸かれる。夕食は宿では取らず、町に出て飲食店を楽しんだ。宇奈月温泉は小規模ながら飲食店がいくつかあり、素泊まりでも困ることはない。旅の中でその土地の食事処を見つけるのもまた楽しみの一つだ。
日帰り温泉『湯めどころ宇奈月総湯』 #
宿泊した翌日は、宇奈月温泉の共同浴場的な存在である『湯めどころ宇奈月総湯』にも立ち寄った。外観はモダンで、いわゆる昔ながらの共同浴場というより、現代的で清潔感のある温泉施設だ。源泉掛け流しではなかったが、広々とした浴槽で足を伸ばして入ることができ、旅の疲れを癒すのには十分だった。館内からは宇奈月の穏やかな街並みが見え、ゆったりとした時間が流れていた。
宇奈月温泉の食事処 #
素泊まりで訪れても困らないのが宇奈月温泉のいいところ。夕食は「河鹿」で釜めしを食べた。香ばしく炊き上げられた釜めしは具材が豊富で、旅先でしか味わえない特別感があった。翌朝は「カフェモーツァルト」で朝食。落ち着いた雰囲気の店内で、コーヒーとともにシンプルな朝食をゆっくり楽しむ時間が心地よかった。
温泉街の雰囲気 #
宇奈月の温泉街は、山あいならではの落ち着いた空気が漂っていた。温泉街の規模は大きくはないが、どこか時間の流れがゆっくりしていて、都会では味わえない解放感がある。川沿いに並ぶ宿や温泉施設、そして夜の静けさ。温泉街全体がリラックスできる空気に包まれていた。
富山駅でまずは腹ごしらえ #
宇奈月温泉の話題からは少し逸れるが、富山駅周辺の魅力も語りたい。富山駅は到着してすぐに驚かされた。駅の構内に路面電車がそのまま乗り入れてくる光景が見られ、都市の駅とは違った独特の雰囲気を感じることができる。さらに駅構内の商業エリアには地元グルメが充実しており、そこで北陸の味覚を堪能することにした。
特に印象的だったのが北陸のソウルフードである「8番ラーメン」。シンプルなラーメンで、あっさりしながらもどこか懐かしい味わいだ。さらに「きときと寿し」にも立ち寄った。回転寿司とはいえ、ネタの新鮮さが桁違いで、東京で食べるものとは比べ物にならない。駅構内でこのクオリティが楽しめるのは、地方都市ならではの強みだと思った。
再訪したい理由 #
この旅で印象に残ったのは、富山駅の都会的で便利な雰囲気と、宇奈月の自然豊かな静けさとのコントラストだ。新幹線で数時間移動しただけで、全く異なる時間の流れの中に身を置けるのが北陸旅の魅力だと思う。次回訪れるときは、黒部峡谷鉄道にも足を延ばしてみたいし、地元の食材を使った料理が楽しめる宿にも泊まってみたい。
短いながらも濃密な体験だった宇奈月温泉の旅。温泉で身体を休め、山あいの静けさに包まれた時間は今も記憶に残っている。