愛知県新城市にある湯谷温泉(ゆやおんせん)の温泉宿『はづ別館』に宿泊した。
はづ別館は、宇連川を望む露天風呂をはじめ、和風の落ち着いた館内や、すき焼き・鮎の塩焼きなどを楽しめる食事が特徴の温泉宿である。この記事では、浴場や温泉の特徴、客室や館内の雰囲気、夕食・朝食の内容など、実際に宿泊して分かったはづ別館の様子を紹介する。
湯谷温泉全体の散策記事については、以下記事を参照のこと。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 湯谷温泉 はづ別館 |
| 所在地 | 愛知県新城市豊岡字滝上11-4 |
| 泉質 | ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 |
| 浴槽 | 内湯、露天風呂 |
| 公式サイト | https://www.hazu.co.jp/hazubekkan/ |
浴場と温泉の特徴 #

浴場は、露天風呂と内湯が一体になった浴場と、別の内湯の2か所。露天風呂は庭園露天風呂、併設された内湯は民芸ひのき風呂と呼ばれている。

庭園露天風呂と民芸ひのき風呂は男女交代制で、21時に入れ替わる。訪問時は男性が21時までこちらの浴場だった。時間帯によって利用できる浴場が変わるので、宿泊する場合は入浴時間を確認しておきたい。

もう一つの内湯は、鳳液泉と書かれた大風呂。はづ別館の浴場としてはこちらのほうが有名で、予約サイトなどでもよく写真が使われている。

湯谷温泉の泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物温泉であり、色は無色透明である。温泉からは、塩化物泉らしい香りが感じられた。内湯はやや熱めだが、露天風呂はちょうどよい温度。塩化物泉らしく身体がよく温まり、湯上がりまでしばらく身体がぽかぽかしていた。
そして、この温泉で特に印象に残ったのが露天風呂からの眺めである。
露天風呂の目の前には、宇連川(うれがわ)が流れる。川沿いにある温泉は珍しくないが、ここは支流のような細い川ではなく、かなりの水量がある。勢いよく流れる川を間近に眺めながら湯に浸かることができ、なかなか迫力のある景色だ。
訪問したのは18時頃だったが、この時間帯はほぼ独泉状態だった。川の流れを眺めながら、静かに温泉を楽しむことができた。

温泉の後は、屋外テラスで川を眺めながら夕涼みもできる。火照った身体に川沿いの風が心地よく、湯上がりの休憩場所としてなかなか気持ちが良い。
ただ、浴場からは少し離れており、利用するには一度脱衣所を出る必要がある。温泉へ向かう通路はお洒落に整えられている一方、屋外テラス周辺にはむき出しのコンクリートが見える場所もあり、清掃もあまり行き届いていないように感じた。このあたりは少し残念なところである。

湯上がりの水分補給にも配慮されており、浴場と客室を行き来する途中に飲料が用意されていた。温泉でしっかり身体が温まるだけに、こうしたサービスがあるのは嬉しい。
館内施設 #

外観はお洒落で、建物の前には手入れされた松や風情のある灯籠、木製のベンチなどが並んでおり、外観からして高級感がある。
白壁には「温泉旅館 幡豆別館」との記載があった。旅館名の「はづ」とは、とは愛知県西尾市の地名である「幡豆」(はづ)に由来するようだ。何か縁があるのだろうか。いずれにしても難読地名である。

玄関をくぐると、木の温もりに包まれた和風の空間が広がる。伝統的な日本家屋を思わせる趣のある造りで、落ち着いた洒落た雰囲気である。

ウェルカムドリンクとして、抹茶を点ててくれた。お菓子も付いており、こうしたところにも旅館らしいおもてなしを感じる。

客室は畳敷きの和室で、8畳一間であった。温泉旅館では外縁付きの部屋もよくあるが、こちらの部屋には外縁は付いていなかった。

ただし部屋からは宇連川(うれがわ)を眺めることができる。川沿いに建つ宿らしく、部屋から川の景色を楽しめるのは良い。
食事 #
夕食 #

夕食は部屋では無く、会場で頂いた。バイキング形式ではなく、料理が一品ずつ揃った状態で提供される旅館らしいスタイルである。
すき焼きを中心に、刺身や煮物などが並び、食前酒として梅酒も付いていた。温泉に入った後にいただく梅酒は格別で、自然と食欲も増してくる。

料理と一緒に献立表も用意されている。何が出てくるのかを確認しながら食事を楽しめるし、こうした献立表があるだけでも旅館の食事らしい雰囲気が増す。

すき焼きは、普段はなかなか食べる機会がなく、久しぶりに食べて美味しかった。

鮎の塩焼きも付いていた。山間の温泉宿という立地だけあって、こうした川魚を味わえるのは嬉しい。

主食はかやくご飯であった。味噌汁は愛知県らしく赤味噌仕立てだった。
朝食 #

朝食も品数が多く、かなり豪華であった。温泉宿らしい和食で、アジの干物や刺身こんにゃく、煮物、漬物などが並ぶ。ご飯のお供として焼きのりも用意されていた。
特に印象的だったのが漬物の盛り合わせである。きゅうりや赤カブ、トマトなど、色とりどりの食材が使われており、見た目にも華やかであった。朝食は全体的に彩りがよく、品数も多いため、朝からしっかり食べられる内容だった。
まとめ #
はづ別館は、宇連川を間近に望む露天風呂が特に印象的な温泉宿であった。塩化物泉らしく身体がよく温まる温泉に浸かりながら、流量の多い川を眺められるのは、この宿ならではの魅力だと思う。館内も和風の落ち着いた雰囲気で、抹茶のウェルカムドリンクや川魚を取り入れた夕食など、旅館らしいおもてなしも感じられた。屋外テラスの手入れなど気になる部分もあったが、温泉、景色、食事を含めて、宿泊してゆっくり過ごしたいと思わせてくれる宿である。
特におすすめしたいのは、川を眺めながら温泉に浸かりたい人や、静かな温泉宿でゆっくり過ごしたい人。大型の温泉施設のような設備の多さを求める宿ではなく、川沿いの風景や和風旅館の雰囲気、温泉と食事を楽しみながらのんびり過ごす宿である。湯谷温泉を訪れるなら、宿泊してこの雰囲気をじっくり味わうのも良いと思う。