三重県四日市市にある『天然温泉かけ流し ゆうゆう会館』を訪問した。ゆうゆう会館は田んぼの真ん中に位置しており、公共交通機関では辿り着くのが難しい。だが訪れてみると、素晴らしい温泉や、来客者の満足のための様々なエンターテインメントが出迎えて暮れた。その体験を記す。
なお、同じ三重県四日市市にある『四日市温泉 おふろcafe 湯守座』も訪問しており、訪問記事はこちらから。
施設情報 #
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設名 | 天然温泉かけ流し ゆうゆう会館 |
| 所在地 | 三重県四日市市智積町3359番地 |
| 泉質 | 弱アルカリ性単純泉 |
| 営業時間 | 10:00〜23:00 |
| 特徴 | 源泉掛け流し、飲泉可能、大衆演劇 |
| 公式サイト | https://yu-yu-k.jp/ |
浴場と温泉の特徴 #

ゆうゆう会館の最大の魅力は、源泉へのこだわりにある。泉質は弱アルカリ性単純泉で、微かに硫黄が香る無色透明の湯が特徴である。浴場には、露天風呂や炭酸泉、打たせ湯、そして漢方風呂など多彩な浴槽が揃っている。露天風呂は源泉掛け流しで、その脇には温泉を飲める飲泉所も設けられている。
長湯を誘うぬる湯の心地よさ #
漢方風呂や炭酸泉は比較的ぬるめに設定されており、身体への負担が少ない。長湯がしやすく、湯とじっくり対話できる温度帯である。
特に印象に残ったのは露天風呂だ。外気に触れながら浸かる湯からは、ほのかに硫黄の香りが立ちのぼる。派手さはないが、本物の温泉であることを静かに主張してくるような存在感がある。
打たせ湯で肩を温めながら空を見上げる。田園地帯という立地も相まって周囲は静かで、お湯と空だけの時間が流れていく。
飲泉で確かめる内側からの作用 #
露天風呂脇の飲泉所にて、温泉を一口含むと硫黄の香りが鼻に抜け、温泉の個性がより明確に伝わってくる。入浴だけでなく、五感で泉質を確かめられるのは貴重な体験だ。当たり前だが、消毒や循環をしている温泉では、温泉そのものを飲むことは出来ない。飲泉所がある温泉施設はそれだけ、新鮮な温泉が楽しめる。
ゆうゆう会館では、時間の都合からわずか30分ほどの入浴だったが、湯上がりの肌は単にしっとりするだけでなく、内側から押し返してくるような弾力を感じた。表面を整えるだけでなく、身体の芯まで届くような確かな手応えがある。
短時間でもここまでの満足感を得られるのは、温泉の質が良いからだろう。
館内・周辺施設 #

ゆうゆう会館の入り口では、まず足湯が温かく迎えてくれる。館内に一歩足を踏み入れると、そこには外観からは想像もつかないほど、個性的な空間が広がっていた。

長く続く廊下には、地元の物産が所狭しと並び、その一角には手相占いのブースまで設けられている。数多くの日帰り温泉を巡ってきたが、占い師が常駐する施設に出会ったのはこれが初めてだ。

さらに驚いたのは、エンターテインメントへの力の入れようである。 館内の掲示板には大衆演劇のポスターが所狭しと貼られ、訪問時には地方アイドルのコンサートまで開催されていた。四日市温泉でも大衆演劇を売りにしていたが、三重県の温泉施設では、こうした地域密着型の興行が独自の文化として根付いているのだろうか。

通路の途中には、駅で見かけるワークブースのような、お一人様用カラオケボックスも設置されており、そのサービス精神旺盛な構成に圧倒される。

湯上がりには、恒例のコーヒー牛乳を手に取った。明治の紙パックを喉に流し込み、廊下の最奥へ向かうと、そこにはまるで洒落た漫画喫茶のような休憩所が待っていた。

膨大な雑誌や漫画に囲まれ、食事も楽しめるこの空間なら、一日中飽きることなく過ごせてしまいそうだ。
利便性が高いとは言えない立地ながら、占いに演劇、最新の休憩スペースまで。客を飽きさせないための並々ならぬ工夫と熱意が、この隠れた名湯の活気を支えているのだと感じた。
まとめ #
ゆうゆう会館は、広大な田園に囲まれ、地元の生活に根ざした名湯である。 一見すると素朴な施設だが、大衆演劇や占いをはじめ、趣向を凝らした休憩所など、客を飽きさせないための並々ならぬ工夫が凝らされている。
派手さはないが、肌を内側から整えてくれる確かな泉質もまた、この場所の大きな魅力だ。 30分ほどの入浴で、2月の寒さに晒された体と肌が潤いを取り戻した。 次回はもう少し時間に余裕を持って訪れ、館内の活気と、この弾力ある肌の感触をじっくりと確かめたい。