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乳頭温泉郷 鶴の湯温泉 レビュー|混浴露天風呂と湯治文化

乳頭温泉郷 鶴の湯温泉 レビュー|混浴露天風呂と湯治文化

·2388 文字·5 分

秋田県仙北市にある乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんきょう)の『鶴の湯温泉』に宿泊した。

鶴の湯は、日本を代表する秘湯として知られ、数か月先まで予約が埋まることも珍しくない人気の温泉宿である。

白濁した混浴露天風呂や足元から温泉が湧き出す自噴泉、茅葺き屋根が立ち並ぶ昔ながらの湯治場の景観など、他ではなかなか味わえない魅力が数多く残されている。また、囲炉裏を囲んで味わう山里の食事や、雪景色に包まれた静かな宿での滞在も、この宿ならではの楽しみだ。

本記事では、実際に宿泊して体験した温泉や食事、館内・周辺施設の様子を紹介しながら、鶴の湯温泉の魅力を詳しくレビューする。

乳頭温泉郷全体の散策記事については、以下を参照のこと。

施設情報
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項目 内容
施設名 乳頭温泉郷 鶴の湯温泉
所在地 秋田県仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50
料金(日帰り入浴) 700円
泉質 含硫黄・ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素泉
浴槽 内湯、露天風呂
営業時間(日帰り入浴) 10:00~15:00
公式サイト https://www.tsurunoyu.com/

浴場と温泉の特徴
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鶴の湯を象徴するのが、雪景色の中に広がる混浴大露天風呂である。泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素泉である。豊富な湯の花を含んだ白濁の湯は、乳頭温泉郷を代表する景色として、多くの人が思い浮かべる光景だろう。

実際に湯船へ足を踏み入れると、その白濁した湯が想像以上に濃い。肩まで浸かれば身体はほとんど見えなくなり、視界には雪景色と白い湯だけが広がる。透明な温泉とはまったく異なる、独特の開放感があった。

この白濁湯は、混浴という文化を支える役割も果たしている。白濁のため一度温泉に浸かれば身体が見えづらい。さらに女性脱衣所からは、男性客の視線に触れることなく、お湯に浸かったまま混浴エリアへ移動できるよう動線が工夫されていた。白濁した湯と建物の造り、その両方が組み合わさることで、長年愛されてきた混浴が成り立っていることに感心させられた。

もう一つ、この露天風呂ならではの特徴が足元自噴泉である。湯船の底に敷かれた砂利の間から、小さな泡とともに温泉が絶えず湧き上がっている。浴槽へ湯を引いているのではなく、自分が浸かっている場所そのものが源泉なのである。

湯に浸かっていると、足元から絶え間なく温泉が湧き出していることを肌で感じた。雪景色を眺めながら、地中から直接届く温もりに包まれていると、温泉に入るというより、温泉が生まれる場所に身を置いているという表現の方がしっくりくる。源泉が湧く場所へそのまま浸かるという体験は、鶴の湯ならではの魅力だった。

食事
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夕食

宿泊した本陣では、夕食も昔ながらの湯治場の雰囲気を色濃く残していた。食事処の中心には囲炉裏が設けられ、椅子ではなく床板に直接座る上げ膳のスタイルで食事をいただく。宿へ着いてから感じていた非日常感が、この食事でさらに深まった。

汁物

料理は、山菜や岩魚をはじめ、この土地ならではの山の幸が中心である。豪華な懐石料理のような華やかさはないが、その分、素材そのものの味を楽しめる献立だった。囲炉裏で温められた汁物は身体の芯から温まり、雪深い山奥で味わう一杯として印象に残っている。

朝食

朝食も山菜や岩魚、汁物、ご飯を中心とした献立で、夕食と同様に山里の恵みを感じられる内容だった。奇をてらった料理ではなく、この土地で昔から食べられてきたものを、そのまま味わえる。湯治場らしい素朴な食文化に触れられたことも、鶴の湯に宿泊する魅力の一つだと感じた。

館内・周辺施設
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鶴の湯温泉正面

茅葺き屋根の建物が点在する鶴の湯の敷地は、一軒の宿というより、小さな集落のような佇まいだった。宿泊棟や湯殿が点在しており、館内を移動するだけでも昔ながらの湯治場を歩いているような気分を味わえる。

敷地内の川

敷地内には小川が流れ、雪景色の中を静かにせせらぐ音が響いていた。温泉へ向かう途中や散策の合間に耳を澄ませると、都会では味わえない静かな時間が流れていることを実感する。

干し柿

建物の軒先には、柿や唐辛子が干されていた。東北では冬の風物詩として見られる光景だが、こうした何気ない景色も鶴の湯の雰囲気によく馴染み、秘湯らしい情緒を感じさせてくれる。

宿泊棟

宿泊棟を裏側から眺めると、年季の入った木造建築の趣がよりよく分かる。飾り立てることなく長い年月を重ねてきた建物は、どこか古い木造校舎を思わせる懐かしさがあった。

館内に入っても、その雰囲気は変わらない。

休憩所

休憩所には大きな一枚板のテーブルが置かれ、昔ながらの対流式石油ストーブが静かに暖を取っている。豪華な内装ではないが、木の温もりに包まれた空間は、山奥の温泉宿らしい落ち着きを感じさせた。

乳頭 和のパネル

売店には、温泉むすめのキャラクターである、乳頭 和(にゅうとう のどか)のパネルが展示されていた。関連グッズも販売されており、温泉むすめのファンなら立ち寄ってみるのも面白い。

乳頭 和の酒

私は売店で乳頭 和のラベルが描かれた日本酒を購入し、夕食後に部屋で味わった。秘湯の余韻に浸りながら飲む一杯は、旅の締めくくりにぴったりだった。

まとめ
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白濁した混浴露天風呂、足元から湧き出す自噴泉、囲炉裏を囲んで味わう山里の食事、そして雪に包まれた茅葺き屋根の湯治場。鶴の湯での一泊は、温泉だけでなく、その土地に根付いた歴史や文化まで体感できる、特別な時間だった。

豪華な設備や最新のサービスを楽しむ宿ではないが、不便さも含めて昔ながらの湯治場の雰囲気を味わえることこそ、この宿の魅力である。宿の中を歩き、温泉に浸かり、囲炉裏で食事をする。その一つひとつが、日本を代表する秘湯と呼ばれる理由を実感させてくれた。

本格的な温泉を求める人はもちろん、温泉だけでなく宿の歴史や建物、食事まで含めて旅を楽しみたい人には、ぜひ一度訪れてほしい温泉宿である。

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